センター・部署

画像診断室

画像診断室は、放射線科専門医1名を中心に診療放射線技師12名のスタッフで構成されています。各診療科の依頼に対して、質の高い画像情報の提供に努め、患者様に優しく安心できる検査を心掛け、業務に取り組んでいます。

スタッフ目標

Ⅰ. 質の高い医療の提供
1.各検査機器を駆使し、精度の高い画像を提供します。
2.技術と知識の向上に努め、チーム医療に貢献します。

Ⅱ. 患者中心の医療の推進
1.安心して検査を受けて頂くため、思いやりをもって接します。
2.個々の患者様に、最適な医療を提供できるよう最善を尽くします。
3.患者様・ご家族への「説明と同意」を徹底します。
4.検査時間・待ち時間の短縮を心がけます。
5.医療事故を未然に防ぐため、細心の注意を払い業務にあたります。

身体の中の状態を調べることができる画像診断の役割はますます大きくなっており、主な業務内容としては、一般撮影検査、骨塩定量検査、マンモグラフィ検査、透視検査、CT検査、MRI検査、IVR検査などがあり、全身の画像診断に対応しています。

1.一般撮影検査(レントゲン)

一般撮影とは、レントゲン写真(X線撮影)のことです。X線には物体を透過する作用があり、その物体の吸収差がX線画像として現れます。

一般撮影には主に、胸部撮影(肺野、縦隔などの診断)、腹部撮影(腹部臓器、ガス像などの診断)、骨・関節の撮影(関節の状態、骨折などの診断)の3種類があります。

当院はデジタル画像(FPD:フラットパネルディテクタ)のため、低線量でも高画質な画像を取得でき、患者様のX線被ばく線量の低減が可能になります。また撮影時間も短くなることで、患者さんの待ち時間の短縮にもつながっています。

胸部
胸部
腹部
腹部
腰椎
腰椎
膝
一般撮影は短時間で撮影ができ、撮影される写真からは様々な情報が得られるため、病気や怪我を診断するための第一選択として行うことの多い検査です。

2.乳腺撮影検査(マンモグラフィ)

シーメンス社製 デジタルマンモグラフィ
『MAMMOMAT Inspiration』
マンモグラフィ検診施設・画像認定取得


当院の装置は新技術トモシンセシス撮影により、高濃度乳腺が多い日本人女性の乳房において、乳腺内に隠れて見えにくい病変を発見しやすくなり、また乳房超音波検査(エコー)を併用することで、より正確な診断を行うことができます。

通常のマンモグラフィでは、乳房のすべての情報を1枚の写真に写し出すため、病変が正常乳腺と重なり発見しにくい場合がありますが、トモシンセシス撮影では、乳腺内を1mm厚で薄くスライスすることで、隠れて見えなかった病変を確認することができます。

常のマンモグラフィ
通常のマンモグラフィ

トモシンセシス
乳房を薄く圧迫することで乳腺の吸収が少なくなり、X線の線量を減らせることで被ばくを少なくすることができます。圧迫に伴う痛みはとても心苦しいですが、診断価値の高い写真を得るには極めて重要なことになります。

3.骨塩定量検査

Hologic社製 X線骨密度測定装置
『Horizon Wi』


骨塩定量検査とは、人体を形成している骨の骨塩量(カルシウム・リン・マグネシウムなど)を、低エネルギーX線を照射して測定するものです。骨粗しょう症の早期発見や治療効果の診断に、欠かせない検査法の一つとなっています。

当院の装置は腰椎・大腿骨の骨密度検査に加え、近年社会的に問題になっているサルコペニア(加齢に伴う筋力・筋肉量の低下)の診断をサポートする体組成計測にも対応しています。

胸部
腰椎報告書
腹部
体組成測定
腰椎
体組成分析
膝
体組成報告書
骨塩量(骨密度)は20代から30代で最も高く、年齢とともに減少します。また、特に女性は閉経によるホルモンバランスの変化によって、作られる骨の量が減少してしまうため、骨粗しょう症になり易くなります。

4.DR検査(透視撮影)

透視検査では、X線を用いてリアルタイムに体内の動いている臓器を透過像として見ることができます。

食道・胃・腸などの消化管検査や、脊髄神経ブロック・関節整復などの透視、様々なチューブの挿入や交換などの透視を行います。

また内視鏡を併用して胆道系や大腸、気管支を調べる検査もあります。

通常のX線写真では分かりにくい臓器の位置や形などを、造影剤という薬品を使って身体の向きを変えたりすることで、最も見やすい角度・タイミングで撮影することができます。

5.CT検査

GE社製 コンピューター断層撮影装置
『LightSpeed VCT VISION(64列)』


CT検査とは、対になった「X線管」と「検出器」が身体の周りを回転し連続して撮影することで、輪切りの断面画像だけなく、立体的な情報が短時間で得られ、臓器や病変構造の観察が詳細に行えます。

また、病変や血管をより鮮明に映し出す目的で造影剤を使用する場合があり、データの連続性に優れているため3次元画像の作成が可能で、数多くの疾病の精密検査として大いに活用されています。

検査の内容によりますが所要時間は通常で5~15分程度で、ほとんど苦痛をともないませんが、息止めをしたり体を動かさないなどの制約があります。


硬膜下血腫

肝臓癌

肺癌

大腸癌
当院の装置は、より広範囲を短時間で撮影可能となり、患者さんに優しい検査を行うことができます。また様々な最新技術が搭載されており、従来のCT検査よりも被ばくを低減することができます。

6.MRI検査

シーメンス社製 3.0T磁気共鳴断層撮影装置
『MAGNETOM Spectra』


当院では3.0T(テスラ)の高磁場MRIを導入しており、現在国内で臨床用として稼働している装置の中で最高の強度を誇ります。最大の特長は一般的な1.5TMRIのおよそ2倍の信号強度があり、より短時間で鮮明な画像が得られることにより、微小病巣などの検出向上に期待できます。また最新の撮影技術により様々な臨床ニーズに応えることができます。

MRIの適応範囲は脳神経や体幹部、そして整形領域と多岐に渡り、特に軟部組織に対して優れた描出能を持つため、血管障害や炎症、腫瘍などの存在・浸潤診断を行う上で非常に有効な検査と言えます。

所要時間は検査部位や内容によりますが通常30~50分程度で、検査前の準備として検査室では強い磁石の力が働いていますので、金属を含むものはすべて外して頂きます。


脳梗塞

脳動脈瘤

ASL

拡散テンソル画像

拡散テンソル画像

MRCP

腎臓がん(造影)

全脊椎

心臓

MRI検査室の磁場の強さ、撮影方法、検査部位などの細かい条件はありますが、 当院でも「条件付きMRI対応心臓ペースメーカ(3T)」患者様のMRI 検査をお受けすることができます。

7.IVR検査・治療(血管撮影)

GE社製 血管撮影装置
『INNOVA 3100 IQ』


IVRとは、カテーテルと呼ばれる細い管を、X線の透視画像を見ながら目的部位まで到達させて、造影剤を注入して目的の血管を描出する検査です。

狭窄している血管を広げたり、止血するために血管を詰めたり、抗がん剤を注入したりと様々な治療を行います。

手術に比べて負担の少ないIVR治療は、各診療科の治療の選択肢を拡げると共に、手術不能な疾患や時間的余裕の無い救急治療に役立ちます。従来は外科手術でなければ治療できなかった疾患が、他科の医師と積極的に協力し多角的なアプローチすることで、IVRの技術で治療できるようになってきています。

セクション(血管撮影室)で、IVR検査・治療の画像を紹介しています。

当院のIVRセンターは、頭部から下肢までの全身血管に対応しており、特に頭部(SCU)・心臓(CCU)において緊急検査・治療を行える体制を整えています。

8.画像処理

富士フィルム社製 三次元画像解析ワークステーション『SYNAPSE VINCENT』


ワークステーションとはCTやMRIなどで撮影した画像データを元に、高精度な3次元画像などに再構築するための装置です。

血管や骨、臓器を部位別に立体的に合成でき、断層画像で分かりにくい疾患も観察しやすくなります。全身の骨・血管評価や冠動脈の狭窄の評価、大腸の病変の描出などさらに精度の高い診断を行うことができます。


腹部VR

心臓VR

頭頚部血管VR

下肢血管VR

CTC

放射線に対して不安や心配になる方もおられると思いますが、放射線(X線)を使用した検査は、リスクよりも診断や治療によるメリットが上回ると判断されて実施されます。検査内容や放射線被ばくなどの疑問や不安なこと、心配なことがありましたらお気軽にご質問・ご相談ください。