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アスベストによる中皮腫について

アスベストとはなんだろう?

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アスベストというのは、ひとつの物質ではなく、天然の鉱物性繊維の総称です。日本語では「石綿(いしわた・せきめん)」とも呼ばれています。

多くの長所を備えているため、鉱物資源として世界中で様々な目的に使用されてきました。燃えにくく気密性も高いので、不燃材料として耐火建築物や耐火構造物に使われ、断熱材・保温材・吸音材にも利用されてきました。また、軽くて粘着性があるので、屋根や天井などに使われていましたし、加工しやすいので、布状・帯状・糸状など形は様々で塗料やセメントなどに混ぜられました。その上頑丈なので、強い力や摩擦のかかる場所に使われてきました。つまり身の回りのいろいろなところで使われているのです。

アスベストの害は?

それでは何が悪いのかというと、一つは繊維状であること。もう一つは、粉塵になることが挙げられます。アスベストは一つひとつは1000分の1ミリほどの、目には見えない小さな繊維状の物質ですので、吸入すると肺の奥まで入ってしまう可能性があります。

アスベストの吸入に関連ある病気で重病となるものに、石綿肺(肺線維症:肺が固くなり呼吸不全で死亡)、肺癌、悪性中皮腫などがあります。いずれもアスベストを吸入してしまうような労働環境で起こる職業病で、10年〜50年の潜伏期で発症すると言われています。この中でアスベストとの関係で注目されているのが中皮腫です。

悪性中皮腫って何?

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胸部の肺あるいは心臓などの臓器や胃腸・肝臓などの腹部臓器は、それぞれ、胸膜・腹膜・心膜などという膜に包まれています。これらの膜の表面をおおっているのが「中皮」で、この中皮から発生した腫瘍を中皮腫といいます。したがって、中皮腫には、その発生部位によって、胸膜中皮腫・腹膜中皮腫・心膜中皮腫などがあります。

また、中皮腫には、悪性のものと良性のものとがあります。悪性のものには限局性(1ヵ所にかたまりを形成するようなもの)と、びまん性(広く胸膜や腹膜にそってしみこむように発育するもの)とがあります。良性のものは、すべて限局性です。

胸膜のびまん性悪性中皮腫では、大量の胸水貯留による呼吸困難や胸痛がおこります。胸壁のしこりを触れるようになることもまれにあります。腹膜の悪性中皮腫では腹水貯留による腹部膨満などがおこります。非常に予後不良な病気ですが、これに対する治療には、外科療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)および対症療法があります。しかし悪性中皮腫ははかなりまれなもので、例えば悪性胸膜中皮腫は肺がんに比べるとその頻度は1%以下です。

空気中にもアスベストが浮いています

アスベストの健康への害は生じるには時間がかかります。「なぜ今?」と思われる方も多数いらっしゃると思いますが、現在アスベストを大量に使いはじめてから害を生じるのに十分な時間が経過したので、製造会社元従業員の方の職業病アスベスト被害についての報道が続いているのが実情です。

しかし、職業病の人とは量的な差はありますが、毎日、一般の人もアスベストを吸い込んでいるのは確かです。実際、空気中にアスベストが浮遊している事が確認されています。悪性中皮腫の死亡数はアスベストによる健康に対する害の指標となると考えられ、どの予測も今後、悪性中皮腫による死亡は増加すると予測しています。

余分なアスベストを吸い込まないためには…

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建築に使われたアスベストは建築物がある間は、ほとんど空気中に浮遊する事はありません。しかし、家やビルを建て替えるために、建築物を壊すと建築に使われたアスベストが多量に空気中に浮遊します。解体工事の現場の周囲では、アスベストの浮遊量が増加している可能性が高いと考えてよいでしょう。古い建物を立て直して、都心型の高層建築を作っている地域ではアスベスト濃度が高くなります。

余分なアスベストを吸い込まないためにも、通勤、通学、自宅近くの解体工事現場には近づかないようにしましょう。また中皮腫の発症と喫煙の関係は大きいようなので禁煙もお奨めです。

 

(参考) All About (家庭の医学) 中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会 市民のための環境学ガイド 国立ガンセンター(中皮腫)

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