令和3年度 池田病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1 14 22 57 89 171 486 687 795 230
【定義】
令和3年度に当院を退院した患者の年齢階級別患者数です。

【解説】
全体の合計患者数は令和2年度と比較し82件減少しています。新型コロナウイルス感染症による影響を受けています。特に50代から70代で減少しており、それ以外の階級では増加しています。合計数は減少しましたが、60代から90代で全体の84%を占めており、依然として高齢患者の受診が進んでいる状況です。当院の受診年齢層は非常に高く、地域の高齢化を反映していると言えます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99041x 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:4あり-副病:あり-0 31 19.03 14.96 0.00% 75.16
040110xxxxx0xx 間質性肺炎-処置2:なし 29 23.52 18.42 0.00% 75.76
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:4あり-副病:なし 17 14.71 9.07 0.00% 70.12
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:あり-処置2:なし 14 5.86 3.30 0.00% 67.93
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:なし 12 22.33 13.12 0.00% 73.83
【定義】
呼吸器内科について、件数の多いDPCの上位5位の患者数、平均在院日数(自院・全国)、転院率、平均年齢を示しております。

【解説】
呼吸器内科では常勤の呼吸器内科専門医2名体制で診療を行っております。間質性肺炎や慢性閉塞性肺疾患の患者が中心でしたが、令和3年度は肺癌の患者が中心となっています。当院の入院上位5疾患中、4疾患は肺癌の抗癌剤治療での入院となっています。当院では気管支内視鏡検査でのがんの診断から抗癌剤による治療まで対応できる体制を整えており、肺癌に対する抗癌剤治療の件数は年々、増え続けています。また、表記の上位5疾患は平均年齢が高く、全国の平均在院日数と比較しても、自院が長くなっている状況です。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎-限局性腹腔膿瘍手術等-処置2:なし-副病:なし 61 11.38 9.21 11.48% 81.07
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。)-その他の手術あり-処置2:なし 17 9.77 10.48 0.00% 78.29
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍-内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 15 9.73 7.96 0.00% 76.80
06007xxx9900xx 膵臓、脾臓の腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:なし 15 22.93 10.88 0.00% 78.00
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)-内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 15 3.53 2.65 0.00% 69.73
【定義】
消化器内科について、件数の多いDPCの上位5位の患者数、平均在院日数(自院・全国)、転院率、平均年齢を示しております。

【解説】
消化器内科では胆道系の結石等に対する内視鏡的手術の件数が最も多くなっています。令和3年度より消化器内科常勤医2名を配置し体制の強化を図りました。また、肝細胞癌に対するカテーテルを用いた「血管塞栓術(TACE)」も実施しており、平均在院日数は全国と比較し短くなっています。当該症例は入院翌日に手術を実施し、経過が良ければ約1週間程度で退院することができます。消化器内科では内視鏡を用いた検査や手術はもちろん、膵癌や胃癌に対する抗癌剤治療の件数も増えており、消化器系の幅広い治療・検査を実施しております。抗癌剤治療に関しては外来でも積極的に行い、実施件数も増加しています。さらに超音波内視鏡(EUS)を導入し、癌の早期診断、早期治療に取り組んでいます。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患-経皮的冠動脈形成術等-処置1:なし、1,2あり-処置2:なし 79 5.82 4.36 0.00% 69.68
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患-手術なし-処置1:1あり-処置2:なし 43 5.86 3.06 0.00% 73.84
050130xx9900xx 心不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし 43 30.51 17.35 4.65% 84.86
050050xx9920xx 狭心症、慢性虚血性心疾患-手術なし-処置1:2あり-処置2:なし 24 2.83 3.27 0.00% 75.58
050210xx97000x 徐脈性不整脈-手術あり-処置1:なし、1,3あり-処置2:なし-副病:なし 14 18.79 10.24 21.43% 86.57
【定義】
循環器内科について、件数の多いDPCの上位5位の患者数、平均在院日数(自院・全国)、転院率、平均年齢を示しております。

【解説】
循環器内科では常勤医師3名体制で診療を行っており、狭心症に対するカテーテルを用いた手術目的の入院が最も多くなっております。また、令和元年度より不整脈に対するカテーテル治療(経皮的カテーテル心筋焼灼術)も開始し、治療件数も増えています。また、当科では、急性心筋梗塞に対する緊急カテーテル治療が実施できる体制も整えています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎-手術なし-処置2:なし 18 32.06 20.57 0.00% 84.39
100380xxxxxxxx 体液量減少症 10 37.70 10.66 0.00% 77.60
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)-手術なし 10 40.50 19.34 0.00% 72.70
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折-人工骨頭挿入術 肩、股等 10 87.50 25.32 0.00% 87.10
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症-手術なし - - 13.14 - -
【定義】
外科について、件数の多いDPCの上位5位の患者数、平均在院日数(自院・全国)、転院率、平均年齢を示しております。なお、患者数が10件未満の症例に関しては「-」で表示しております。

【解説】
外科では、誤嚥性肺炎が最も多くなっています。また、脱水症や骨折など幅広い疾患に対応しています。平均年齢は70代~80代であり、他科に比べ高齢な患者が多くなっています。そのほかにも外傷などの救急搬送患者の積極的受け入れも行っており、外科全体の症例件数が急増しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折-人工骨頭挿入術 肩、股等 18 81.17 25.32 0.00% 83.06
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)-手術なし - - 19.34 - -
160800xx99xxxx 股関節・大腿近位の骨折-手術なし - - 15.02 - -
070160xx01xxxx 上肢末梢神経麻痺-手根管開放手術等 - - 4.58 - -
160760xx97xx0x 前腕の骨折-手術あり-副病:なし - - 4.99 - -
【定義】
整形外科について、件数の多いDPCの上位5位の患者数、平均在院日数(自院・全国)、転院率、平均年齢を示しております。なお、患者数が10件未満の症例に関しては「-」で表示しております。

【解説】
当院の整形外科では大腿骨頚部骨折(下肢の付け根、股関節部分の骨折)の症例が最も多く、平均年齢が83.06歳となっています。平均在院日数も81.17日で全国と比較してもかなり長くなっています。受傷者の高齢化により、手術を希望されない症例(保存的治療)も増えています。また、胸椎、腰椎(背骨)の圧迫骨折も10件には満たないですが、平均年齢が高く、平均在院日数も長くなっています。日数が長くなる理由として当院では急性期での治療(手術)から回復期リハビリテーション病棟でのリハビリまで一貫して行う事が可能であり、受傷前と同等のADLまで回復させ、在宅復帰を目指しているためです。本人や家族が安心して在宅生活が送れるよう、計画的にリハビリを行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎-その他の手術あり-処置2:なし 14 19.21 15.77 0.00% 75.93
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)-手術なし-処置1:なし-処置2:4あり-副病:なし-発症前Rankin Scale 0、1又は2 13 47.39 15.63 0.00% 75.62
010070xx02x0xx 脳血管障害-経皮的頸動脈ステント留置術-処置2:なし 11 29.18 9.23 0.00% 67.00
010070xx9910xx 脳血管障害-手術なし-処置1:あり-処置2:なし 10 9.40 3.22 0.00% 72.80
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫-慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等-処置2:なし-副病:なし - - 11.78 - -
【定義】
脳神経外科について、件数の多いDPCの上位5位の患者数、平均在院日数(自院・全国)、転院率、平均年齢を示しております。なお、患者数が10件未満の症例に関しては「-」で表示しております。

【解説】
脳神経外科では、令和3年度より脊髄刺激療法(SCS)(慢性疼痛患者に対して脊髄にリードを挿入し痛みを和らげる治療)を開始しました。令和3年度は年間14例の実績があり、対象患者も多数紹介を頂きます。その他にも脳動脈や頸動脈のカテーテルを用いた検査や治療も行っています。このカテーテル検査は脳動脈瘤の破裂による脳出血や脳動脈が詰まる事によっておこる脳梗塞の予防に繋がっています。外傷性脳出血も多く、その他に脳動脈瘤の破裂を防ぐコイル塞栓術やt-PA療法(超急性期脳梗塞に対する治療)や救急搬送における経皮的脳血栓回収術も実施しています。当科では循環器内科同様、緊急カテーテル手術を行える体制を整えており、さらに、急性期(発症)から回復期(在宅)まで一連の治療ができる体制を整えています。
放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患-動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等-処置1:なし、1あり-処置2:なし-副病:なし 13 7.23 5.32 0.00% 71.92
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。)-その他の手術あり-処置2:なし - - 10.48 - -
110070xx97x01x 膀胱腫瘍-その他の手術あり-処置1:0-処置2:なし-副病:あり-0 - - 14.77 - -
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:あり-処置2:なし - - 3.30 - -
050170xx03001x 閉塞性動脈疾患-動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等-処置1:なし、1あり-処置2:なし-副病:あり-0 - - 9.61 - -
【定義】
放射線科について、件数の多いDPCの上位5位の患者数、平均在院日数(自院・全国)、転院率、平均年齢を示しております。なお、患者数が10件未満の症例に関しては「-」で表示しております。

【解説】
放射線科では末梢性閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療の症例が最も多くなっています。ここ数年で自院のかかりつけ患者や他院からの紹介により患者数が増加し、令和3年度は年間で13例となりました。その他にも肝細胞癌に対するTACEや透析患者へのシャントPTA等、様々なカテーテル治療を当科では行っております。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし 27 12.52 10.39 0.00% 63.07
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-動脈形成術、吻合術 その他の動脈等-処置2:なし-副病:なし 13 13.92 7.87 0.00% 65.15
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群-手術なし-処置2:なし 12 25.25 20.43 0.00% 51.50
110280xx02x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-動脈形成術、吻合術 その他の動脈等-処置2:1あり 11 75.09 34.08 9.09% 68.00
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-手術なし-処置1:なし-処置2:1あり - - 13.74 - -
【定義】
腎臓内科について、件数の多いDPCの上位5位の患者数、平均在院日数(自院・全国)、転院率、平均年齢を示しております。なお、患者数が10件未満の症例に関しては「-」で表示しております。

【解説】
腎臓内科では末期腎不全患者の透析導入やネフローゼ症候群、経皮的針生検での入院が中心となっています。当院では血液浄化センターを有しており、外来・入院合わせて約280名の透析患者が治療を受けています。また、腹膜透析にも対応し、腎疾患についての診療は大変充実しています。近隣の医療機関からの紹介患者も多数受け入れている状況です。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫-手術なし-処置2:4あり 37 12.54 10.66 2.70% 79.41
130060xx97x40x 骨髄異形成症候群-手術あり-処置2:4あり-副病:なし 33 21.27 18.76 9.09% 74.24
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群-手術なし-処置2:4あり 28 12.93 10.12 3.57% 79.11
130010xx97x2xx 急性白血病-手術あり-処置2:2あり 19 35.95 37.46 0.00% 71.21
130030xx99x3xx 非ホジキンリンパ腫-手術なし-処置2:3あり 14 12.64 15.64 0.00% 64.43
【定義】
血液内科について、件数の多いDPCの上位5位の患者数、平均在院日数(自院・全国)、転院率、平均年齢を示しております。

【解説】
血液内科では悪性リンパ腫や骨髄異形成症候群、急性白血病に対するの化学療法が上位を占めており、大隅半島を中心に血液疾患患者の受け入れを積極的に行っています。常勤の血液内科専門医2名体制で診療を行っており、さらに無菌治療室や外来化学療法室、化学療法認定看護師の配置等、万全な体制での治療が行えるようになっております。外来化学療法室はベッド数を増床し、より多くの患者様が外来にて化学療法が行える体制を整備致しました。当院で化学療法を実施する患者は年々増加しております。
乳腺甲状腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍-手術なし-処置2:4あり 66 2.76 3.94 0.00% 58.45
090010xx99x8xx 乳房の悪性腫瘍-手術なし-処置2:8あり 25 3.64 4.21 0.00% 59.56
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍-乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等-処置1:なし 21 13.86 10.15 0.00% 63.38
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍-その他の手術あり-処置2:なし - - 6.37 - -
090010xx99x30x 乳房の悪性腫瘍-手術なし-処置2:3あり-副病:なし - - 6.55 - -
【定義】
乳腺外科について、件数の多いDPCの上位5位の患者数、平均在院日数(自院・全国)、転院率、平均年齢を示しております。なお、患者数が10件未満の症例に関しては「-」で表示しております。

【解説】
乳腺外科では、乳癌の切除術や術後の化学療法での入院が中心となっています。化学療法の症例数は年間66件となっており、ほとんどが1泊入院です。全国と比較しても入院日数は短くなっています。また、平均年齢が50~60代前半であり、他診療科と比べても若くなっています。入院件数も年々増加しており、それに伴い化学療法の件数も増加しています。当院では、女性医師、女性スタッフのみによる診療を実施しているため、安心して受診できる体制を整えております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 15 0 0 0 1 2 1 8
大腸癌 1 2 0 6 5 0 2 9
乳癌 52 41 21 0 4 7 1 8
肺癌 7 6 12 94 10 91 1 8
肝癌 1 6 8 6 0 14 2 6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【定義】
・初発の5大癌について令和元年度に退院した患者が対象で、延べ患者を表示しております。
・初発の病期分類はUICC(※1)のTNM分類(※2)に基づいたものです。
・疑い病名等でTNM分類が不正確なもの等は「不明」としております。
・「初発」とは当院において癌の診断または初回治療を実施した場合を指します。
・「再発」とは一連の初回治療が完了したあと当院で診療した場合や癌が悪化、再発、転移したものを指します。
・患者数が10件未満の症例に関しては「-」で表示しております。

【解説】
当院での5大癌の治療実績では初発・再発ともに肺癌が最も多くなっています。初発の肺癌はStageⅣが最も多く、切除不能な癌に対する化学療法が中心となっています。また、抗癌剤を変更して治療を継続している症例も多いため、再発件数も多くなっています。乳癌については初発はStageⅠ~Ⅲが中心であり、切除可能な乳癌に対する治療が中心となっています。特に乳癌は令和2年度と比べ、件数が著明に増加しています。また、肝癌については再発症例が多く、カテーテルを用いた「血管塞栓術(TACE)」を中心に診療を行っているためです。当院では、5大癌以外にも血液系の癌(白血病や悪性リンパ腫等)に対する治療体制も充実しております。

(※1) UICC:国際対がん連合
(※2) TNM分類:がんの病期と進展度を示したものです。TNMの組み合わせでStageを決定します。
            T:原発腫瘍の進展範囲
            N:所属リンパ節転移の有無と進展範囲
            M:遠隔転移の有無
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 10 12.00 59.40
中等症 54 27.59 82.57
重症 6 34.17 82.50
超重症 2 9.00 81.50
不明 - - -
【定義】
・令和3年度に退院した成人の市中肺炎の患者を対象としています。成人とは20歳以上です。
・市中肺炎とは普段の生活の中で罹患した肺炎を指します。
・重症度は市中肺炎ガイドラインの重症度分類システム(A-DROPスコア)により分類しております。
・患者数が10件未満の症例に関しては「-」で表示しております。

【解説】
中等症の患者数が増加していますが、重症や超重症の肺炎も受け入れており、中等症以上の症例においては平均年齢の高齢化が見られます。軽症症例では平均年齢が50代後半と若くなっています。また、重症になればなるほど平均在院日数も伸びています。当院では、常勤の呼吸器内科専門医2名による診療体制を整えております。

(参考)
A-DROPスコア
1.年齢(Age)               :(男性) 70歳以上  (女性) 75歳以上
2.脱水(Dehydration)    :BUNが21mg/dL以上または脱水あり
3.呼吸(Respiration)    :SpO2が90%以下(PaO2:60Torr以下)
4.意識障害(Orientation) :意識障害あり
5.収縮期血圧(Pressure)    :収縮期血圧が90mmHg以下

※重症度は5点満点、各項目1点。
軽症:スコア0 中等症:スコア1~2 重症:スコア3 超重症:スコア4~5
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 71 51.14 76.86 3.80%
その他 8 45.63 73.00 1.27%
【定義】
・この表は脳梗塞発症後、どのくらいで治療を開始しているかをICD-10別に「3日以内」と「その他」に分け、患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率について表示しています。
・ICD-10とは「疾病、傷害および死因統計分類提要 第10回修正版」のことであり、WHO(世界保健機関)により公表されている疾病及び関連保健問題の国際統計分類です。死因統計や疾病統計、診療記録の管理などに活用されます。

【解説】
当院では脳梗塞患者の8割以上が発症から3日以内に何らかの治療を開始しています。受け入れの平均年齢は76歳です。当院は超急性期脳梗塞に対して行うt-PA療法やカテーテルを用いた「経皮的脳血栓回収術」を実施できる体制を整えており、脳梗塞患者の積極的な受け入れを行っています。また、回復期リハビリテーション病棟を有しており、脳梗塞後のリハビリ目的の転院や脳卒中の急性期から回復期までの総合的な管理をすることが可能です。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 54 2.33 8.39 12.96% 81.33
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 14 1.00 7.14 0.00% 77.00
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 14 1.00 11.14 14.29% 76.07
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) 13 2.08 7.23 0.00% 77.62
K6872 内視鏡的乳頭切開術(胆道砕石術を伴う) 12 1.67 5.75 8.33% 81.92
【定義】
消化器内科について、主要手術の患者数、術前、術後平均日数、転院率、平均年齢を表示しております。

【解説】
消化器内科では胆道系疾患(閉塞性黄疸等)に対する「内視鏡的胆道ステント留置術」が最も多くなっています。またそのほかにも肝細胞癌に対するカテーテルによる「血管塞栓術(TACE)」も行っています。このTACEはほとんどの症例で入院翌日に手術を実施、術後は6日程度で退院となっています。また、総胆管結石等に対する「内視鏡的乳頭切開術」も実績を徐々に増やしており、内視鏡を用いた手術や検査を積極的に実施しています。令和3年度より「超音波内視鏡(EUS)」も導入し、胆道系や膵臓の悪性腫瘍の早期発見が行える設備も整えております。常勤医2名を追加配置し、患者数と手術件数が飛躍的に増加しています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 52 2.10 3.69 0.00% 70.00
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 28 1.96 2.82 0.00% 70.04
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 11 0.00 31.64 9.09% 73.27
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) - - - - -
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) - - - - -
【定義】
循環器内科について、主要手術の患者数、術前、術後平均日数、転院率、平均年齢を表示しております。なお、患者数が10件未満の症例に関しては「-」で表示しております。

【解説】
循環器内科ではカテーテルを用いて狭くなった冠動脈(心臓に酸素や栄養を送る血管)にステントを留置し拡張する「経皮的冠動脈ステント留置術」を最も多く実施しています。また、ステントを使用せず、バルーンのみで拡張する「経皮的冠動脈形成術」まで合わせると年間90件以上の実績があります。また、令和元年度より心房細動に対するカテーテル治療「経皮的カテーテル心筋焼灼術」も開始しております。当院ではカテーテルを用いた手術が徐々に充実してきており、急性心筋梗塞に対する緊急手術を実施できる体制も整えております。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) etc. 17 8.41 69.24 0.00% 82.24
K0462 骨折観血的手術(下腿) - - - - -
K0811 人工骨頭挿入術(股) - - - - -
K0452 骨折経皮的鋼線刺入固定術(前腕) - - - - -
K0463 骨折観血的手術(膝蓋骨) - - - - -
【定義】
整形外科について、主要手術の患者数、術前、術後平均日数、転院率、平均年齢を表示しております。なお、患者数が10件未満の症例に関しては「-」で表示しております。

【解説】
整形外科では大腿骨頚部骨折(下肢の付け根の骨折)に対する手術が中心となっています。平均年齢は82歳です。入院から手術までの平均術前日数は8.41日となっていますが、これは入院後各種検査や患者、家族への説明を行っているためです。また、平均術後日数は約69日(約2ヶ月)となっています。術後日数が長くなっている要因として、術後は回復期リハビリテーション病棟へ転棟し、在宅復帰に向けた計画的な手厚いリハビリを実施しているためです。そのほかにも人工骨頭挿入術や骨折に対する手術も実施しています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1901 脊髄刺激装置植込術(脊髄刺激電極を留置) 14 2.36 15.86 0.00% 76.07
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 12 10.33 25.33 0.00% 68.00
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 - - - - -
K178-4 経皮的脳血栓回収術 - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
【定義】
脳神経外科について、主要手術の患者数、術前、術後平均日数、転院率、平均年齢を表示しております。なお、患者数が10件未満の症例に関しては「-」で表示しております。

【解説】
脳神経外科では令和3年度より脊髄刺激療法(SCS)(慢性疼痛患者に対して脊髄にリードを挿入し痛みを和らげる治療)を開始しました。令和3年度は年間14例の実績があり、他医療機関からも対象患者を多数紹介頂いております。また、狭くなった頸動脈(首の動脈)に対してカテーテルを用いて拡張する「経皮的頸動脈ステント留置術(CAS)」や慢性硬膜下血腫に対する手術も実施しています。また、そのほかに、脳動脈瘤に対しコイルを用いて破裂を防いだり、破裂した脳動脈瘤を塞ぐ「脳血管内手術(コイル塞栓術)」や超急性期脳梗塞に対する「経皮的脳血栓回収術」も行っています。いずれも平均年齢が高く高齢者に多い手術となっています。
放射線科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 14 0.93 5.71 0.00% 72.00
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) - - - - -
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) - - - - -
K084 四肢切断術(下腿) - - - - -
K5611 ステントグラフト内挿術(血管損傷) - - - - -
【定義】
放射線科について、主要手術の患者数、術前、術後平均日数、転院率、平均年齢を表示しております。なお、患者数が10件未満の症例に関しては「-」で表示しております。

【解説】
放射線科では、カテーテルを用いた手術が中心であり、四肢の動脈を拡張する「四肢の血管拡張術・血栓除去術」、肝細胞癌に対する「血管塞栓術(TACE)」が主に行われています。また、透析導入患者や透析導入前患者に対する「経皮的シャント拡張術・血栓除去術」も入院にて数件実施していますが、この手術については外来での実施がほとんどで、日帰り手術にて実施しています。当科では他院からの紹介患者が多く、特に「経皮的シャント拡張術・血栓除去術」については近隣の医療機関から多数紹介を頂いている状況となっています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 36 18.03 25.67 2.78% 67.44
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 17 3.12 19.47 0.00% 62.53
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(1の実施後3月以内に実施) - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) - - - - -
【定義】
腎臓内科について、主要手術の患者数、術前、術後平均日数、転院率、平均年齢を表示しております。なお、患者数が10件未満の症例に関しては「-」で表示しております。

【解説】
腎臓内科では、透析導入予定患者への「末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)」が最も多く、年間36件実施しています。これは透析導入時における透析シャントの新規作成やシャント閉塞を来たした場合の再作成の手術です。平均術前日数が18.03日と非常に長くなっていますが、透析導入後の手術実施や入院後に腎機能悪化が進行し手術に至るケースがあるためです。上位3項目は、シャント関連の手術となっており、当科では透析に関連した手術を中心に行っています。平均年齢も60代であり他科と比べても比較的若い世代が多い状況です。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 3 0.12%
180010 敗血症 同一 4 0.16%
異なる 4 0.16%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 34 1.33%
異なる 2 0.08%
【定義】
医療資源を最も投入した傷病名が「播種性血管内凝固症候群」、「敗血症」、「その他の真菌感染症」、「手術・処置等の合併症」に該当する場合、医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの、少しでも改善すべきものとして、その分類が本当に妥当であったかどうかを再検討する必要があります。この4疾患について、医療資源を最も投入した病名と入院の契機となった病名が同一か異なるかを区別して症例数と発生率を示したものです。なお、症例数が10件未満の症例に関しては「-」で表示しております。

【解説】
当院では「手術・処置等の合併症」が34件、発生率が1.33%となっており、全国と比較しても高い発生率となっています。原因として、透析患者の透析シャント狭窄や閉塞を発症した患者に対し、カテーテルによる「経皮的シャント拡張術・血栓除去術」の実施を目的に、入院受入を行っているためです。当院では合計約280名の透析患者が入院や通院をしており、シャント閉塞をきたした患者には即座に当該手術を実施しています。更に、他院の透析患者等も経皮的シャント拡張術目的に当院へ紹介となるケースもあるため、それらの患者を「手術・処置等の合併症」に分類し、このように件数が多くなっております。
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